コンサルタントは信用できるのか? 良いコンサルと悪いコンサルを見極める方法




正直に言って、僕はコンサルタントが大嫌いです。
それは過去にコンサルタントに迷惑をかけられた経験があるからです。

でも、本当に頼りになるコンサルタントに出会ったこともあります。

そこで今回は、良いコンサルタントと駄目なコンサルタントを見分ける方法を、個人的な経験をもとに紹介します。




良いコンサルと悪いコンサルの定義

まずは「なにをもって良いコンサル」とするのかをはっきりさせておきます。

僕が考える良いコンサルは「現場の抱える課題を解決する」ことができる人です。
逆に言うと、課題を解決できないコンサルは悪いコンサルということです。

結果でしか物事の判断をしないというのはどうなのかという声も聞こえてきそうですが、コンサルは基本的に頭を使って課題の解決方法を「考える」のが仕事です。

実際の作業は現場が行いますので、作業そのものの価値はコンサルに帰属しません。
その作業の結果だけがコンサルの生み出した価値と僕は考えます。

それでは、判断基準を明確にしたところで、僕が出会った両極端なコンサルタントを比較していきます。

良いコンサルは兼業している

僕が出会った有能なコンサルは、コンサルタント業とは別に本業を持っていました。

コンサルタント業とはまったく違う業種というわけではありませんでしたが、本業で得た経験をコンサルにも活かし、コンサルで得た経験を本業にも反映させるという良い循環を回していました。

なにかを極めた人は、そのフレームを別のものにも流用することで圧倒的な速度で成長することができます。
まさにその典型のような人で、ベースの考え方が経験に裏打ちされており、信用に値すると判断できました。

一方で悪いコンサルはコンサルタント業に専念していました。

ひとつの仕事に専念してスキルを極める、という姿勢は評価できそうなものですが、僕が出会った人については、どうにも信用できないという印象がぬぐえませんでした。

そのような印象を抱いた理由は2つあります。

まず、知識が浅いということが挙げられます。

コンサルタント業しか経験していないということはコンサルの知識しかありません。
実は僕自身も社内でコンサルをさせられていたので、多くの書籍で勉強をしていました。

その経験があってか、このコンサルが持ち出すフレームワークやらツールはなんの新しさもなく、知識の穴も目立つように思えました。

そして2つ目の理由は、お金が目当てであることが隠しきれていなかったことです。

この方はフリーランスのコンサルなので、生活していくためにも利益を追求するのは間違った姿勢ではないのですが、契約を切られないように決裁権者へ媚びへつらう態度があからさまでした。

そのような態度なので課題にたいする分析の結果は自然と「経営方針に問題はない。現場のシステムに問題がある」という、経営陣に忖度したものになってしまいます。

僕から言わせると、経営陣は自分の経営方針が間違っていることを薄々気付いていて、来たる失敗にそなえてコンサルへ仕事を依頼しているようなものです。

予想どおりに失敗したときに「あの駄目コンサルのせいで酷い目にあった」と責任をなすりつければ経営陣は言い逃れができます。

良いコンサルは依頼に難色を示す

僕が打合せを重ねた良いコンサルは、こちらの依頼に遠慮なく口を出してきました。

「それは難しい」

「その時間では成果は期待できないがそれでも良いのか」

など、歯に衣着せぬ物言いで、結果を出すことだけを考えて意見をしてくれました。

一方で、悪いコンサルはこちらの依頼をふたつ返事で承諾してきました。
ある日、経営陣がコンサルに社員向けの研修を依頼しました。

そして、トップダウンで決まった研修は具体的なプランも提示されず、現場へのヒアリングが行われることもなく日時だけが決まりました。

日時だけです。

研修のテーマも資料も会場も、当日まで明かされることもありませんでした。

そのようなやり方に、多忙な業務を調整して研修を受けた社員たちは激しく不満を感じる結果となりました。
とはいっても、トップダウンで決まった研修なので誰も表立って不満は漏らしません。
管理職だった僕にだけ、どうしてこんな研修が行われたのかと問い合わせが殺到しました。

結局、僕は数日間かけて、ひとりひとりに研修の感想(不満)を聞いてまわり、ガス抜きをしていく羽目になりました。

経営陣だけが「非常に実りのある研修だった」とご満悦でした。

良いコンサルは夢を語らない

兼業で実力もあるコンサルは嘘をつきません。
無理なものは無理とはっきりと言い切ります。

ところが、悪いコンサルは夢を語ります。

それらしいフレームとグラフィカルで分かりやすい課題を提示して、それを解決することで実現する素晴らしい未来を希望に満ち溢れた言葉で語ります。

しかし、そこで紹介されるのは、前提の誤った的を射ていない課題と、とうてい実現不可能な解決方法です。
輝かしい未来に目を輝かせて必死にメモをとっていた社員たちが、本当にそれを真に受けていたのかどうか僕には分かりません。

ただ、僕はそれを信じる気にもならず経営陣に「いや、どう考えても無理ですよね」と詰め寄ったことがあります。

経営陣の回答は「最近、社員たちのモチベーションが低下しているので、希望を持たせたかった」というものでした。

ここに至って、僕は完全にこの会社に見切りをつけました。

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良いコンサルは身の上話をしない

僕が頼りにしたコンサルは兼業コンサルなので、本業でも様々な肩書を持っていました。
自分からそのようなことはアピールしないものの、依頼するにあたって身の上を調査するとすぐに分かることばかりでした。

悪いコンサルは、いかにも共感を集めそうなエピソードを語ります。

過労で倒れたことがあるとか、精神的に病んでいたとか、複雑な家庭環境で育ったとか、たいていは不幸な過去を乗り越えてきたというエピソードです。

そのような事実はどうでもいいと思った僕は勝手にそのコンサルの経歴を調べました。

表面上、有名コンサルティングファーム出身とされていたそのコンサルでしたが、実際は任期付きでわずかな期間そこへ勤めていただけでした。
さらに詳しく調べると、社会に出て企業で勤めていた期間も数年ほどしかありません。

これでは意識の高い新卒社員と変わらないのではないかと危惧した僕ですが、その結果はさきに話したとおりです。

駄目コンサルのおかげで炎上した現場の火を消して回り、後に残ったのはただの焼野原。
無残なものでした。

耳に心地よい言葉には注意しよう

以上、僕が出会ってきた頼れるコンサルとクソコンサルを比較してきました。

コンサルに限らず、自分の聞きたい言葉を話してくれる人と付き合うのは心地よいものです。

ですが、はたして、その言葉が自分のためを思ってのものなのかどうかは疑ってかかるべきです。

僕には、なにかを相談すると「絶対、大丈夫だよ」と言ってくれる友人がいて、いつもその言葉に勇気をもらっています。
でも、その大丈夫という言葉は信じていません。

大丈夫にするのは自分です。
誰かに自分の運命を丸投げにするのは他人に責任を押し付けているだけです。

そして、他人は責任をとってくれません。

時には第三者の目も必要なのは間違いありませんが、結局もっとも頼りになるコンサルタントは自分自身ではないでしょうか。




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