ブラック企業の実態は?どうやって見分ける?




働き方改革関連法案が可決されて2019年4月からの施行となりました。

これで世の中からブラック企業が駆逐されるといいのですが、僕個人はそのようなことにはならないと悲観的な見方をしています。

これから社会に出るひとは、そのようなブラック企業につかまらず、人間らしい生活ができるような会社で働けるといいですね。

そこでそのようなひとのために、年収200万円台で月100時間ほどの時間外労働を10年以上つづけてきた僕が、ブラック企業の内情と、ブラック企業なのかどうかを見極める方法を解説します。
※ 個人的な体験に基づいた方法なので一般化できるかどうかは分かりません。。。




ブラック企業の実態

では、ひとつずつ紹介していきます。

勤務時間

勤務時間は09時~17時がコアタイムのフレックス勤務です。
僕は通勤に一時間ほどかかるところに住んでいたので、6時過ぎに家を出て7時過ぎには出社していました。

退社は、それほど遅くまで残っていませんでした。だいたい19時半から21時の間には会社を出るようにしていました。
ただ、リモートワークが進んでいた会社だったので、帰宅後もslack(チャットツールです)やskypeなどでバシバシ仕事の連絡が来ていたので、事実上22時近くまでは働いているようなものでした。

ちなみに、この会社の前の会社では定時が14時~25時という頭のおかしい設定でした。
それどころか、社長が「明日は12時からの出社でいいよ」と定時の2時間前の出社を許可して、それに「ありがとうございます!」と感謝して勤務開始の2時間前に出社するという、ぶっとんだ儀式が毎日行われていました。

休日

多くのブラック企業で休日は週休二日制です。
完全週休二日制ではありません。

「週休二日制」は一週間に二日間の休みがある週が、月のうちに一週でもあれば名乗れるので、例えば月の休みが5日間でも週休二日制と言い張れます。
うっかり週休二日制を完全週休二日制と勘違いしないようにしましょう。

ちなみに僕の職場は土日祝日の出勤が非常に多かったのですが、代休はちゃんと付きました。
まぁ忙しく代休なんて使えないので意味はないですが。。。
それで実際どれくらい年間で休んでいるのか数えてみたら60日くらいでした。

これは前の会社もその前の会社も同じくらいだったので、おそらくブラック企業のスタンダードな年間休日が60日くらいなのかと思われます。
僕は実際そのくらい休めれば、とりあえず体調を崩したりせずに済みました。

たまに遊びに行ったり、趣味を作ったりという人間らしい生活はできませんでしたが。。。

仕事内容

一応メインの業務は割り振られますが、それ以外にもなんでもやります。
便所掃除から何千万円が掛かってくる書類の作成まで本当に幅広く仕事をします。

医者、弁護士、警察なんかのお世話にもなります。
適応障害やうつ病の診断書が飛び交って、内部の人間が物凄いスピードで入れ替わります。
入社翌日から来ないひとや、前日まで元気だったのに突然失踪するひとがいます。

中々まとまった休憩がとれないので昼食は基本的に食べられません。
僕の職場はけっこう自由な社風だったので、隙間時間に菓子やらカロリーメイトやらをかじって栄養補給していました。

文字に起こすと酷い職場のように思えますが、僕自身はけっこう楽しくやってました。
結局、仕事の内容を辛いと思うかどうかは人それぞれなので、必ずしも業務内容だけでブラック企業かどうかということは判断できないのかなと思っています。

人間関係

人間関係は良かったです。
今思えば、たぶんあまりにも過酷な環境だったために無意識に仲間意識が作られていたのでしょう。
それでも陰口なんかは結構たたかれていたようですが、実害はないので放っておきました。

そのような環境なので、社内では恋愛沙汰が珍しくありません。
これが健全なものならいいですが、不健全なやつもかなり横行していました。

ちなみに、僕は仕事以外に労力を割く元気がなく、一切そのようなこととは無関係を通しました。言い訳がましいかもしれませんが、別に縁がなかったわけではないです。

年収

年収は300万円に届きません。
基本給は20万円を超えないうえに残業手当が一円も出ないので

基本給18万円*12ヵ月+賞与40万円=256万円

くらいの年収で皆が働いていました。
当然、結婚している社員はあまりいません。

独り暮らしをするほどの余裕がないのでだいたいの社員が実家暮らしで、それだからなのかどこか大人になれていないような人が多かったです。

個人的には、ブラック企業かどうかは、単純に年収で判断できるのではと思っています。
年収を労働時間で割った時間単価が最低賃金を下回るようであれば、ブラック企業と言って差し支えないでしょう。

見分けかた

求人の頻度

いつも求人が出ている会社はブラック企業の確率が極めて高いです。

ブラック企業では慢性的にひとが入れ替わるので、いつも求人を出しています。
ところが、人手不足にはなりません。

僕がいた会社では求人を出すと、あっという間に数十件の応募が集まりました。
忙しいうえに入れ替わりも激しいので、あまり熱心に履歴書を読んだり面接したりはしませんでした。

僕に限って言えば、面接ではほとんど質問せずに、履歴書に書かれているカタログスペックのみで採否を決めていました。

そういえば、採用する気のない、いわゆる「カラ求人」も出していました。
我ながら最低なことをしていますが、ブラック企業では倫理観もいつの間に失われていきます。

社内の人間の様子

面接や企業見学の際に、働いているひとに疲れがにじみ出ているようであれば、ブラック企業の確率が高いです。
不思議なもので、人間は楽しんで仕事をしていると疲れを感じなかったりするものです。

僕自身も一時はそうでしたが、仕事が楽しいと、ろくに眠ることができなくてもイキイキと働けたりします。
ところが、楽しくもないことをやらされていると肉体的に疲労していなくても、佇まいに疲れがにじみ出てきてしまうものです。

女性はメイクで疲れを隠せるので、男性社員の様子をじっくり観察しましょう。

休日や夜間の会社の様子を見る

東京の働く人を撮影して 企業の勤務実態を映し出します

こちらで最近話題になっているように、夜間や休日の会社の稼働状況を確認することもブラック企業を見極める有用な方法です。
外から眺めるだけではなくて、電話をかけてみるのもいいかもしれません。

ただ、僕のいた会社では休日や夜間の電話は完全に無視していましたし、あまりにも遅い時間に働く場合は、節電のために消灯して真っ暗なオフィスで仕事してました。

ブラック企業に入社してしまったら

時間の無駄です、さっさと逃げましょう。
僕はいまブラック企業とは縁を切ってハレバレとした気分ですが、それでも本来支払われてしかるべきだった数千万円の残業手当のことを考えると、バカなことをしてきたものだと自己嫌悪に陥ってしまいます。

失われるのは金銭だけではありません。
若くてエネルギーに満ちた時期は、人生で一度きりです。
自分はこの貴重な時間をどのように使っていくべきなのか、いま一度真剣に考えてみてはいかがでしょうか。

問題は放置すると利子が乗ります

ブラック企業は、入社前にあるていど見極めることができます。
それでも入社せざるを得なかったとしたら、潰されないように適度に手を抜きながら、脱出する機会を耽々と窺いましょう。

とりあえず働けている、という状況は必ずしも褒められたことではないと僕は思っています。
このままでいいのかな、と漠然とした不安を持ったまま働いているのは、問題を先送りにしているだけだからです。

問題は、先延ばしにすればするほど利子が乗ってきます。
僕のように手遅れにならないうちに、勇気をもって脱出することをおススメします。




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