年金もあてにならなそうだし、自衛のために資産運用でもしようか。
でも、資産運用ってなにしたらいいの?危なくないの?
という人のために、約20年近く損失を出すことなく資産を運用していた僕が色々紹介します。
あらかじめ断わっておきますが、仮想通貨については説明していません。
出遅れた感があったため、市場が落ち着いてから参入しようと考えています。
資産運用の種類
僕が経験してきた資産運用=投資は以下のものです。
- 株式投資
- 投資信託
- 外貨預金
- FX
貯蓄も資産運用ではありますが、ここでは省略します。
では、ひとつずつ紹介していきます。
株式投資
資産運用と言えば株式投資がまずはじめに頭に思い浮かぶのではないでしょうか。
株式投資については、さらに少し細かくみていきます。
取引の種類
株式投資というと、暴落で資産の大半を失うようなリスキーなイメージがつきものです。
年配のかたは特にそのようなイメージを持っているような印象です。
でも、実際にはそれほどリスクが高いものではない、というのが僕の実感です。
そもそも株式投資の取引には大きく分けてふたつの方法があります。
まずひとつめが通常の取引です。
これは証券口座に入金した自分の円資産を使って、任意の株券を購入する取引です。
当然、自己資金以上の株券を購入することはできません。
つぎに信用取引があります。
そして、これが株式投資がリスキーだと考えられる原因です。
信用取引は、その名のとおり信用を担保に取引を行うものです。
具体的には、信用取引では時限付きで自己資金の3倍までの価格の取引をすることができます。
そしてさらに特徴的なのが、信用取引では自分が所有していない株券も売却できるということです。
少し理解しづらいかもしれませんが、注文を受けてから商品を調達する小売店を想像すると分かりやすいのではないでしょうか。
ここで、注文を受けたときの販売価格よりも商品の調達価格のほうが高くなってしまうと、とうぜん赤字になります。
その赤字は追証と呼ばれるもので、自己資金で補填しなければなりません。
つまり、通常の取引でもっとも損失を出したとしても、それは購入した株券の価値がゼロになるだけですが、信用取引の場合、損失は購入した(または売却した)株券の3倍まで膨らむ可能性があるということです。
したがって、通常の取引であれば、資産価値がゼロになるだけですみますが、信用取引を行っていた場合にはそのうえ借金を背負うはめになる可能性があります。
僕は過剰なリスクは背負いたくなかったので通常の取引しかしませんでした。
投資スタンス
投資のスタンスは短期と長期、分析対象などが違えばそれぞれ変わってきます。
短期投資では、一般的に株価の動きを注視してそこに一定のアルゴリズムを想定して取引を行います。
ローソク線と呼ばれるグラフや移動平均線、売買額など様々な指標をもとに投資判断をしていきます。
このように株価の動きだけを追って投資判断を行う分析方法をテクニカル分析と呼びます。
そして、数値の動きをみるのではなく、「本来の価値より低く見積もられている株式を安いうちに買っておく」という投資方法がファンダメンタルズ分析です。
ファンダメンタルズ分析では、会社四季報や財務諸表などをもとに本来あるべき価格の株価を独自に算出します。
その理論株価と現在の株価を比較して安く購入できれば投資するという判断方法です。
理論株価の算出方法や指標も様々あるのですが、どれをもとに判断するのかは自由です。
ちなみに理論株価を算出する際に使われるDCF法(discount cash flow)は株式投資以外にも汎用性のある考え方なので、勉強すると意外なところで役に立ちます。
ちなみに僕はファイナンスを学ぶために
「MBAファイナンス」グロービス社 編
「財務三表一体理解法」国貞克則 著
「ざっくり分かるファイナンス」石野雄一 著
「中小企業財務の見方超入門」銀行研修社 編
で勉強しました。
どれもお勧めできる良書です。
まぁ、分析方法には本当に色々あって、すべて細かく説明していくとそれこそ一冊の本になると思いますので、興味のある分野の書籍を買って勉強するとよいのではないかと思います。
ちなみに、僕は細かく分析するのが面倒くさくなったので、中長期の株価の流れを予想して仕込んでおくポジショントレードというやり方に落ち着きました。
投資信託
投資信託は要するに金融商品のパッケージ販売です。
僕みたいに個別銘柄を分析するのが面倒な人には向いているのではないでしょうか。
ただ、大きなデメリットがあります。
それは、手数料がとにかく高いということです。
信託報酬手数料や購入時手数料など名目は色々ありますが、1.5%~3%まで結構な率の手数料をとられます。
株式投資をはじめとした資産運用で年率1.5~3%という運用成績はなかなかのものです。
銀行に預けていたら0.01%くらいでしか運用できないのですから、その100倍近い数値です。
なので、自分で個別銘柄を分析する時間も技術もあるのであれば投資信託を購入するメリットはほとんどないのでは、と思います。
僕は個別銘柄の分析が面倒なので投資信託を購入していましたが、そのなかでも手数料がかからないノーロードファンドというものにしか手を出しませんでした。
外貨預金
単純に外国の通貨で預金しておくという資産運用です。
通貨は米国ドルから豪州ドル、オーストラリアドル、ユーロまで様々なものがあります。
日本にくらべてはるかに高い金利をあてにして長期間運用するのも良いですし、為替の動きを予測して差額を取る方法もあります。
差額を狙いにいくのであれば、基本的には円高のときに外貨を買って、円安のときに外貨で円を買えば良いだけです。
僕は、一企業の株価の動きでさえ予測するのが難しいのに一国の貨幣価値を予測するのは不可能だと考えて、外貨預金はあまり積極的に運用していませんでした。
それにのちほど説明するように分散投資先としても微妙なので、外貨預金は利率に期待するか、いずれ外国へ訪れる機会があるのでなければあまりお勧めしません。
FX
FXは外国為替証拠金取引のことです。
要するに株式信用取引の外貨預金版みたいなものです。
ただ、おそろしいことにFXは自己資金に対する信用取引の倍率(レバレッジといいます)がとんでもないことになっています。
低くても10倍、高いと30倍くらいの信用取引ができます。
なので、儲かるときは大きいですが、同じくらい損失を出す確率も高い、まさにハイリスクハイリターンな投資です。
僕は先に言ったように、為替を読むことは不可能だという立場なのでFXは口座だけ作って放置していました。
先物
先物はやったことがないのですが、どうも奥が深すぎるようなので相当な覚悟がないかぎりはやめておいたほうがいいと思います。
僕はブラックショールズモデルを勉強してるときに先物はやめようと思いました。
ただ、先物でよく使われるアービトラージ(裁定取引)の手法や概念はとても興味深いものでした。
資産運用は分散投資が基本
そのままです。
資産は僕たちの意思に関係なく価値が上がったり下がったりします。
ひとつの資産にすべての財産を投入してしまうのは、あまりにもリスクが高すぎるので分散して投資しておくべきです。
単一の株式に投資するのではなく、複数の株式に投資する。
株式にだけ投資するのではなく、外貨にも投資する。
一国の経済にだけ投資するのではなく、複数の経済圏に投資する。
このように分散しておくだけで、一気に資産が消し飛ぶという事態は避けられます。
僕は、株式と外貨とただの預金をだいたい3:3:4くらいの比率で持つようにしていました。
ちなみに、日本の株を持っている人がリスク分散のために日本経済と関係の深い国の外貨に投資してもリスク分散にならないので、その点は注意しておきましょう。
興味がある人は「ベータ、金融」で検索してみると、詳しく解説されたサイトがたくさん出てくると思います。
以上で僕の知る資産運用の概要と事例を紹介しました。
これから資産運用をしてみようという人の参考になれば幸いです。
余談ですが、僕は資産というものは金融資産に限らないと考えています。
それは健康な身体もそうですし、知識やスキル、それに人間関係も資産だと思っています。
最近では信用貯金という言葉もありますね。
金融資産も含めた色々な資産にどの程度の投資をしていくのか、どのタイミングで配分を考えなおすのか、それが豊かな人生を送るための秘訣なんだと思います。
個人的には、一般的には若いときは健康な身体と時間という資産が誰にでもあるので、それを投資して知識やスキル、人間関係という資産に変えていって、そこからそれらを金融資産に変えていくというステップが順当と思っています。
が、それを意識していた僕がいま貯金ゼロになっていますので、真に受けない方が良いでしょう。
数百万円程度の金融資産なんてものは、1,2年働かないでおくと、あっという間に消し飛びます。
変化することが当たり前の時代です。
あまりお金にばかりこだわらず、いまをどう楽しく生きていくかに集中したほうが結果として豊かな人生を送れるのかもしれません。