ライターとして活動していると仕事の幅も広がってくるものです。
時には、ただ文章を紡ぐだけではなく取材やインタビュー、はてには撮影やフォトレタッチまで行うこともあるでしょう。
そこで本記事では、店舗へ出向いて取材する際のコツと、あると便利な道具たちをご紹介していきます。
取材・インタビューのコツ
いくつかの質問を事前に準備しておく
よほど話し上手な人ではない限り、事前にライティングの核となる部分の質問を用意しておきましょう。
たとえば、そのお店が記事を通してもっとも訴求したいポイントは必須の質問です。勝手な判断で執筆してリテイクとならないよう、言質をとるくらいの意気込みで良いでしょう。
あるいは、お店の歴史なども良い質問です。
ただ訴求したいポイントを羅列するのではなく、読み手に具体的なイメージを抱かせられるようなエピソードを発見できるかもしれません。
用意しておく質問の数は、個人的にはせいぜい数個までにとどめておいたほうが良いと思います。
いくつもの質問を投げかけると、話があちこちと飛んでしまい、重要なポイントを見失ってしまいかねないからです。
インタビュー開始前にはアイスブレイク
アイスブレイクなどと大層な名前ですが、要はインタビュー前に世間話でもして互いの緊張をほぐしておきましょう、ということです。
インタビューは慣れていないと本当に緊張するものです。
しかし、それはインタビューを受ける側も同じこと。
スムーズにコミュニケーションを取るために、冗談のひとつでも交わせるくらいに打ち解けられるのが理想です。
緊張は伝わる
人は対峙している他人の感情に影響を受けてしまいます。
自分が緊張していると相手も自然と身構えてしまいがちですし、その逆も然りです。
取材・インタビューの成否のカギは事前の準備とインタビュー開始前のアイスブレイクにあるといえます。
取材・インタビューの道具たち【執筆】
必須道具
筆記用具
なにはなくとも、筆記用具がなければ取材は始まりません。
まれに、なにも書き留めなくとも記憶だけで記事を執筆できるスーパーライターもいますが、マネはしないほうが良いでしょう。
また、筆記用具は必ず予備を用意しておきましょう。
肝心なところでボールペンのインク切れ、などといった失態は許されません。
バインダー
取材前に準備した資料を挟んでおく以外の用途としてバインダーは必須です。
取材中、話しの流れで新たな資料をもらうことも珍しくありません。
そのような時に、素早く書類を収納できるバインダーは大変便利です。
また、移動しながらメモをとるときなどに、バインダーは下敷き代わりとして活躍します。
ボイスレコーダー
メモだけでは記録として心もとないため、ボイスレコーダーですべてのインタビュー内容を録音しておきましょう。
僕自身は専用のボイスレコーダーまでは用意せず、スマートフォンのアプリで代用していますが、いまのところは不便を感じていません。
あると便利な道具
モバイルPC
PCは様々な用途に使えますが、インタビューではボイスレコーダーの予備として使います。
グーグルドキュメントには優秀な音声入力機能が備わっているので、それをボイスレコーダーとして使うのです。
取材・インタビューの内容がリアルタイムでドキュメントに入力されていくので、文字起こしの手間が省略できます。
モバイルバッテリー
モバイルPCやボイスレコーダーなどのバッテリー切れを回避するためにモバイルバッテリーを用意しておくと安心です。
僕は10,000mAhのバッテリーを使っていますが、不十分と感じたことはありません。
取材・インタビューの道具たち【撮影】
必須道具
一眼レフカメラ
撮影である以上、カメラがなければどうしようもありません。
ミラーレスカメラでも撮影に事足りる場合もありますが、一眼レフを用意しておいたほうが無難です。
一眼レフとミラーレスでは、背景のぼかしや動画撮影、RAW現像など、やれることもクオリティも大きく違ってきます。
予備のカメラ
カメラが故障したときのために予備のカメラは必ず用意しておきましょう。
撮影は、その場その時にしかできません。
こちらの不手際で再び撮影の場を設けてもらうような事態は絶対に避けましょう。
本業のプロカメラマンになると、予備を用意するというよりは、むしろ被写体に応じてレンズやカメラを複数用意するのが当たり前のようです。
あると便利な道具
タブレット
タブレットは撮影した画像をその場でクライアントに確認してもらうために使います。
いちいちカメラのモニターを一緒にのぞいて画像を確認していたのでは効率が悪すぎます。
この段階で、ある程度、記事に使う写真素材のあたりをつけておくと、その後の仕事がスムーズに回ります。
Wi-Fi搭載SDカード
タブレットで画像を確認するためには、カメラに装填するSDカードから画像データをWi-Fi経由で飛ばす必要があります。
Wi-Fi搭載SDカードはいくつか種類がありますが、僕は東芝のFlash airを使っています。
最大品質で撮影すると転送まで時間がかかってしまうのが、やや困りものです。
三脚とレリーズ
三脚とレリーズを用意しておくと、静物の接写や動きのある被写体の撮影に大変役立ちます。
というか、これがないと事実上、撮影ができないというケースもあります。
さらに欲を言うとレフ板も欲しいところですが、僕自身はカメラマンではなくライターなので、そこまでは手を入れていません。
踏み台
少し高い位置から全体の雑感を撮影するときなどに、折りたたみの踏み台があると助かります。
人が乗っても潰れない耐久性のあるキャリーケースなどを用意しておくと、収納と踏み台の2つの用途で使えるのでオススメです。
まとめ:取材・インタビューには入念な準備と道具が重要
取材・インタビューはつきつめれば、話を聞いて文章に起こすだけです。
しかし、そのやり方に工夫をしなければ大変な労力がかかってしまう仕事でもあります。
グーグルドキュメントの音声入力を活用したり、Wi-Fi搭載SDカードで写真選定も撮影と同時にこなしたりと、道具を活用して効率的に取材をしてきましょう。