書きたいことがあるのに、うまく言葉にできない。
そんな悩みを抱えてはいないでしょうか。
その悩み、よく分かります。
ものを書くというのは0から1を生み出す行為で、それは1を100へ育てるよりもはるかに困難です。
書くことが少しでも楽になるように、僕が文章を書きだす「まで」に行っていることを紹介します。
ちなみに今回の記事は高校生にもお勧めです。
ここで紹介する方法に慣れたら、大学入試の論作文試験くらいならメモ用紙を使うことさえなく一気に書き上げることができるようになります。本当です。
※ いざ書き出しはじめてからの早く書くコツについてはこちらをご覧ください。
遅筆だった僕が2週間で一時間あたり5,000字書けるようになった方法
初めは構成なんて考えない
なにかのことについて書きたいと思ったら、そのテーマに関わる思いついたことをひたすら羅列していきます。
この段階では、どのような構成でどんな結論に落とし込むのかは考えません。
たとえば、僕が先日書いた
という記事では「本は食事のようなものです」の一文をまず決めました。
それから
「タイトル、前提おかしいやつ注意、著書、ポジショントーク、重版、辻占、書店の良さ、アマゾン、なぜそれを手に取ったのか、デザイン注意、デカい声の説得力、理解が進むなら教科書でも、何のために読む、出会い、知識、逃避」
と思いつくままにキーワードをひたすらに列挙しました。
ただ、実際の記事を確認してもらえると分かるのですが、必ずしも挙げたキーワードがすべて記事に使われているわけではありません。
ちなみに今回は、この16個のキーワードをもとに約3,000字の記事ができあがりました。
関連するキーワードをひたすらに挙げるこのフェイズでは、そのキーワードを使うかどうかや、どのように記事を構成していくかは無視することがポイントです。
自由奔放に制限なく質より量を重視する、いわゆる一人ブレインストーミングです。
有名なアイデア発想法や思考法としては他にマインドマップがありますが、書き出す段階で発想と分類を同時にやるのは思考に制限がかかってしまう気がするので、僕は使いません。(あれを書いていると意識高い人に見られそうで嫌だということもあります)
それに、早く書くコツでもそうなんですが、なるべくシングルタスクにすることは生産性を高めるうえで重要だと思うので、そういう意味でもマインドマップは使いません。
散らかったものを整理する
ひととおりキーワードの列挙が終わったのならば、次はそのキーワードを分類していきます。
分類方法はとりあえず似たものをひとくくりにすれば十分だと思います。
たとえば先の例では「なんのために読む、出会い、知識、逃避」が僕の中では似たものだったので一つのカテゴリーにしました。
ここでそのカテゴリーに収められたメンバーのうちのひとつに違和感を感じるのではないでしょうか。
そうです、「なんのために読む」という問いに対する答えが「出会い、知識、逃避」ですから、レベルが合っていません。
そこで「なんのために読む」のレベルをひとつ上げると、それが大見出しになります。
ここらへんのレベル(粒度といいます)について、きっちりとやりたい人はWBS(ワークブレイクダウンストラクチャー)で調べると詳細な情報が得られます。
ただし、非常に専門的な話になってくると思いますので、深入りしないことをお勧めします。
さて、こうして列挙したキーワードを大まかにくくりレベルを調整すると、ひととおりの見出しが完成します。
あとはその見出しを起承転結なりPREPなりIMRADなり、お好きな文章フレームに当てはめて並べ替えれば骨子ができあがります。
参考:
PREP(Point,Reason,Example,Point)=(結論、理由、例、結論)
IMRAD
webライティングは理系論文の型式に似ている
I(introduction)導入
M(method)手法
R(result)結果
a(and)
D(discussion)考察を「タイトル&概要」と「まとめ」で挟む。
IMRaD(イムラッド)と読みます。— katri (@katri_cr755) July 13, 2018
ところで、どのくくりにも入れなかった仲間外れのキーワードがあると思いますが、それは独立した項目として記事に入れてもいいですし、今回はご縁がなかったとしてご退場願っても構いません。
僕は今回「アマゾン、辻占」のキーワードは記事に使うと内容がぼんやりしてしまうので、うっすら仄めかすくらいにしておきました。
お気づきかも知れませんが、ここでキーワードをグルーピングしているこの方法も、有名な発想法のひとつでKJ法といいます。
ちなみに、KJは川喜田二郎氏の名前が由来です。
Dragon Ashではありません。
あとは書くだけ
ここまでくれば後は書くだけです。
今回の例に出した記事であれば3,000字でキーワードがだいたい15個くらいなので、それぞれのキーワードについて200字くらい書けば、あっという間に3,000字です。
そう聞くと、なんだか簡単に書けそうな気がしてきませんか。
たぶん書けます。
だって、この見出し「あとは書くだけ」からここまでで150字くらいになってますからね。
では、最後にまとめです。
記事の構成はどうやれば良いのか?
- キーワードを列挙する(発散、ブレインストーミング)
- 分類する(収束、KJ法)
- レベルを調整する(WBS)
- 並べ替える(起承転結、序破急、PREP、IMRAD)
以上です。
はじめはノートに書き出したりしても良いですが、慣れてきたら発散以外は手を動かさなくてもできるようになると思います。