筋トレをしても仕事ができるようはなるとは限らないけれど。『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか』山本ケイイチ 著。




筋トレをしないとなと思いながらも、どうもモチベーションが高まらない人は本書を読んでみてはいかがでしょうか。確実にやる気になると思います。




筋トレをしても仕事ができるようになるとは限らないけれど。『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか』山本ケイイチ 著。

精神も筋肉も、辛く苦しい様々な刺激を受け、それに順応すべく超回復し強化されていく。そして鍛えるという行為は、自分自身の意志で、自分でやるしかない。(中略)「自らの意志で、自らに辛いことを課す」これは精神にも筋肉にも共通する、普遍の成長原理なのである。

出典:『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか』 山本ケイイチ 著

結論から言うと、この一節にすべてが凝縮されている。辛いことを自分に課してでも自分を成長させることができる人は、当然に仕事ができるのだ。

生きるために辛い環境に身を置かざるを得ない人もいるが、わざわざ必要もないのに筋トレに励める人は、それだけで自律した精神を持った優れた人と言ってもいいだろう。

鼻毛が長い人はなぜモテるのか

と、本書の主張を全肯定しておきながらも、正直「仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか」というタイトルはどうかと思う。

「鼻毛が長い人はなぜモテるのか」くらいナンセンスで、前提条件の間違った決めつけのタイトルで書籍を手に取る気が失せる。現に、僕は仕事はできたけれど筋トレはしていなかった。むしろ仕事をやめてから筋トレを始めたくらいだ。

が、それでもやはり本書の内容は筋トレの効用をこれでもかと紹介するだけでなく、筋トレに励む人が仕事もできるという根拠もしっかりしている。

外見は一番外側の内面

本書は冒頭でトレーニングの辛さ、一朝一夕で結果が出るような甘いものではないことを断る。

ちょっと筋トレをしただけでは見た目は変わらないし、負荷の低いトレーニングではなにも効果は得られない。それでもめげずに続けられる人だけが筋トレの効果を感じることができる。

鍛えられた肉体はそれだけで、個人差があるが明らかな結果が出始めるのに半年はかかる筋トレを続けられたという周囲への証明書代わりになる。

痩せすぎや太り過ぎが怠惰と不健康の賜物であるように、鍛えられた肉体は節制と鍛錬の証明だ。

筋トレは手軽に得られる成功体験

手軽といってしまうと語弊があるが、それでもリスクをとらず確実に得られる成功体験であることは間違いない。

自己を律して、苦痛に耐えながら弛みないトレーニングを続けることさえできれば、誰でも確実に効果が得られる稀有な体験だ。

苦痛に耐えた体験は、日常生活や仕事で出会うトラブルやアクシデントに対しする耐性を作ることにもなると本書は説く。が、正直それは言い過ぎのような気はする。

だが、自分で自分に課した約束を履行した体験というのは間違いなく自信になる。そういった自信が精神的なタフネスとなることは容易に想像できる。

筋トレは処方箋のいらない向精神薬

筋トレをしている人で精神的に病んでいる人を僕は知らない、わけではない。薬に頼ってなんとか生きているトレーナーも知っている。

でも、筋トレをした後の精神の昂ぶりも僕は知っている。

所詮は人間も生き物で、ホルモン分泌による生理反応に気分が左右されるのは紛れもない事実で、筋トレがネガティブな精神を吹き飛ばす効果を持っているのは否定できない。

これは私見だが、筋トレをした後に気分が良くなるのは誰しも経験があるはずなのに、なぜそれを学習して、盛りのついた猿のように筋トレ中毒にならないのかというと、筋トレの苦痛とその後の気分の高揚が釣り合っていないからなのではと思っている。

筋トレ後の気分の高揚とセットで別の行動を習慣的に続ければ、脳が一連の筋トレ後の快楽を学習して、習慣的に筋トレをしたいと思うようになるのではないだろうか。

続けることを目標にする

という僕の私見は脇に置き、本書で紹介される筋トレを習慣化させるコツは見出しのとおりだ。

その習慣化が難しいのだよ、と思わなくもないが、そこは間違ってはいけない。筋トレで筋肉をつけることを目標にするのではなく、続けることだけを目標にするのだ。

辛ければ負荷を減らす、忙しければ頻度を減らす。ただ、続けることだけはやめない、と考えれば自分にもできそうな気がしてくるから不思議なもので、実際に一回ダンベルを持ち上げるという行為だけでも毎日続けて習慣化できれば、その負荷を少しずつ上げていくだけで立派な筋トレだ。なんだか簡単な気がしてこないだろうか。

ちなみに、人がなにかを習慣化するには2週間続けなければならないとまことしやかに言われているが、最新の学説では個人差や習慣化の対象にもよるが60日は続けることが必要とのこと。

"明日こそは早起きしてやりたいことに集中するぞ、なんて昨晩の固い決心はどこへやら、今朝も二度寝。" 自分のためになる習慣を作りたい、だけどうまくいかない。 そんな人のために習慣化のコツを紹介します。

2週間でも長い気がするのに60日も続けなければいけないのか、と絶望しそうになるが、この習慣化の過程は断続的であっても効果があるそう。それならなんとかできそうな気がしてこないだろうか。

筋トレはSMARTに

突然だが、SMARTの法則はご存知だろうか。

  • Specific……明確である
  • Measurable……測定可能である
  • Assignable……役割がある
  • Realistic……現実的である
  • Time-Related……期限がある

という条件設定が目標設定に有効であるという法則だ。

筋トレはこの条件設定が適用しやすいと思わないだろうか。

「筋トレで体重をいつまで何kg増やす」という目標設定もいいが、本書のとおりに続けることを目標にするならば「いつまで、何回のトレーニングを繰り返す」だけでもいいかもしれない。

さらにいうと、目標管理では欠かせないフィードバックも筋肉痛として自動的に得られる。

なるほど、筋トレほど、自分で目標を決めてそれを達成する手軽な練習として適しているものも中々ないと思えなくもない。

筋トレは社会の縮図

何か一つのことをなそうとするときに人間ができるのは、結局、淡々とした作業の積み重ねしかない。一発逆転で大成功とか、ある日突然奇跡が起きて誰かが手を差し伸べてくれるなどということはないのだ。

出典:『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか』山本ケイイチ 著

分かってはいるけれど、夢も見たいのが人間。でも筋肉は正直に現実を突きつけてくる。コツコツと淡々と作業をするしかないのだ。

ちなみに、本ブログもなんとなく毎日更新を決心して淡々と作業をして10日目になる。実は、この作業がいつか芽吹いて一発逆転の奇跡が起きないかなと期待している。

筋トレをしても仕事ができるようになるとは限らないけれど『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか』山本ケイイチ 著まとめ

本書を読んだのははるか昔で、今回は記憶と記録をもとに書評を書いたのだけれど、実は奇しくも僕自身1ヶ月以上筋トレをさぼって、もともとクソガリだった身体が明らかにさらに薄くなっているところだった。これを機に筋トレを再開しようと思う。

もし、この記事を読んで少しでも本書に興味を持たれた方がいたら、僕と一緒に筋トレを初めて(再開)してみませんか。




スポンサーリンク







フォローする

スポンサーリンク