『The end of jobs』 テイラー・ピアソン著。起業最高!なのか本当に?







『The end of jobs』 テイラー・ピアソン著。起業最高!なのか本当に?

起業最高。とひたすらに煽る内容。

インターネットや高機能なソフト・ハードウェアの一般への普及、学歴のデフレ化などにより、我々はどこでも誰でも生産性の高い仕事をすることができる。
これは裏を返せば組織の中の個人は簡単にアウトソーシングやAIによって代替可能な部品のようなものになるということ。

以上を根拠に雇われる働き方はすでに安全ではないと主張する。
これは、世界的に見れば確かにそういった流れなのは間違いない。

たしかにコンビニの店員や工場のラインなどで外国人が低賃金で働いているのが普通になったが、上記のITインフラとはあまり関係がないだろう。
結局、日本においては言語の壁がまだまだ高いため、著者が主張するような流動性の高い労働市場が広く実現するのは当分先のように思う。

こういった危機感を煽る言説が巷に溢れているために、わざわざ業務を属人化させて保身を図るというケースは実際によくあって、俺の経験としても、それで組織としての生産性がひどく損なわれていたことがあった。
雇われている限り安心な世の中ではないのだから、リスクを取って起業しましょう。

起業することでリターンを好きにコントロールできますよ。
という話が続き、ひたすらに起業を煽る。

と、あえて批判的な態度を崩さずに読み進めたが、必要以上の煽りを除けばほとんどの部分は肯定せざるを得ない内容ではあった。
が、どうしても全体として「国債が紙切れになる時代に私たちは如何にして生き延びるか」みたいなタイトルの書籍の海外版のような安っぽいイメージがぬぐい切れない。




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