『残酷すぎる成功法則』エリック・バーカー著。月に吠えても自分の影は釘付けにはできない。

キャッチ―過ぎるタイトルに釣られそうだが、内容は巷に溢れている成功法則をハーバードビジネスレビューはじめ、各種研究結果を用いて検証していくというもの。 その検証方法もいわゆるプロコン方式で行われているため中立的で公正な検証がされているように思える。

『モチベーション革命』藤原和啓 著。足りないことが足りない世代。

モチベーションを引き出すための書籍、ではない。 高度経済成長期を経験した世代は、失われた豊かさを獲得しつづけるという上昇志向を元にモチベーションを保っているが、一方でそれ以降の若い世代は生まれながらに豊かさを享受しているために、欠乏感を元にした欲望がない。

『長女たち』篠田節子 著。期待は呪い、絆は柵。

あまりにもリアルで救いのない状況が、著者特有のドキュメンタリーのような精密な筆致でつづられていく。 親の認知症、離婚、退職、介護・・・そこにはエピファニーも奇跡も現れない。ただただ息の詰まるようなうんざりする現実がありのまま描かれる。