他人を理解するには動的に。大今良時 著『不滅のあなたへ』




純粋なテキストではなくて漫画。未完。

世界の情報を収集するために何者かによって生み出された不死の主人公が、様々な場所で色々な人に出会っていく物語。
原初のころは無機物だった主人公は出会ったものや人をコピーできるようになる能力を持つ。

ただし、生物に関してはそのオリジナルが失われた後に限る。
主人公は人と出会い、絆を深めて、そして失うことでその人を自分自身の一部として獲得していく。

不死であるからこそ失うことが前提となった出会いは、切ない別れが約束されている。

生者は常に変わり続ける。
だから他人を完全に理解することは実際、不可能だ。

理解しようとすることは可能だが、難しい。
静的に、図鑑的に他人を理解している間に、そのものが変わってしまう。

でも、その人の変わり方を動的に理解することは比較的容易だ。
だから、変わり続ける人の本質はその人を構成する情報ではなくて、その人の持つダイナミクスのことを言うのだと思う。

そして、そのダイナミクスが終わった時に、その人を完全に理解することができるようになるのだと。
いや、語弊がある。理解ではなくて、解釈だろうな。

続刊が楽しみな作品のひとつ。
いずれアニメ化されるのだろうけれど、主題歌はMAN WITH A MISSIONになりそうな気がする。




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